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  4. 未来づくりインタビュー vol.4【株式会社おうち菜園】

18 Dec 2019


濱田健吾(はまだけんご)さん
株式会社おうち菜園 代表
AQUAPONICS ACADEMY校長
書籍:アクアポニックス実践マニュアル本

「アクアポニックス」に魅了され、外資系の会社で働きながら有機農業学校を卒業。
2014年に”おうち菜園”を設立し、世界中にアクアポニックスを広める活動を本格化。
これまで100件以上の企業、農家、個人へのアクアポニックス導入を支援。


”魚と野菜を育てながら生態系を学べる水槽”

中村 : 今日はよろしくお願いします!
それでは早速、濱田さんが取り組まれている「アクアポニックス」とは何かについて説明していただけますか?
先日会社の同僚に聞いてみたら、新しいダイエット法?と言っていたので(笑)

濱田さん : はい(笑)
まず、この写真を見て欲しいんですけど、水槽の上に植物が育っていますよね?

アクアポニックスというのは、わかりやすく言えば、魚を育てること(養殖)と野菜を育てること(栽培)を1つのシステムで同時に行う農法です。


この水槽はそのシステムが一目でわかるように、小さくした家庭用水槽なんです。

濱田さん : 例えば金魚鉢で金魚を飼うと、フン(アンモニア)で汚れた水を定期的に交換しなきゃいけないですよね?
それは養殖でもそうで、近くの湖や川などの水辺に汚れた水を流しているんですね。

でもアクアポニックスではその水を捨てずに微生物に分解してもらい、栄養(硝酸塩)に変えて、野菜を育てるために使います。
そして、綺麗になった水がまた魚の水槽に戻っていく。そういったシステムなんです。




中村 : 水が循環する中で、作物が育つ仕組みになっているんですね!

濱田さん : そうなんです。「魚」と「微生物」と「植物」、この3者が共生環境を作って、生態系の中で作物を育てていくというのがアクアポニックスです。
うちの会社では、そのアクアポニックスを小さくして家庭用にしました。 水槽で魚を育てると同時に作物も育つので、家庭でハーブや野菜を栽培する方も多いですね。


亜硝酸を吸収して元気に育つリーフレタスやイタリアンパセリ

中村 : 地球規模で見たとき、生態系の循環ってスケールが大きすぎて想像が難しいですが、アクアポニックスならこの水槽ひとつで自然の循環を体感できるんですね。この水槽は小さな地球みたいですね。



”植物に薬をあげる前に、魚のことを考えるようになる”

中村 : 濱田さんは、どのようなきっかけでアクアポニックスに出会ったのですか?

濱田さん : 僕がサラリーマンだったとき、たまたまネットで見つけておもしろそうだなと家のベランダでやってみたのがきっかけです。
前に植物だけを育てていたときは、葉っぱが黄色くなったら肥料を与えて、虫がついたら殺虫剤をかけるっていうのをなんの違和感もなくやっていたんですね。
でも、アクアポニックスを始めてみたら、植物のそばに水槽があるんですよ。「あれ?これって魚に悪いかも?」って考えちゃう。


中村 : うわーおもしろい!確かにそうですよね。下に魚見えてるんですもんね。植物にかけたものが土を通って水槽に入るわけですよね、それは考えてしまう。

濱田さん : そうなんです。だからこれまで見えなかった、植物の周りにあった生態系がアクアポニックスをやると絶対に見えるんです。
活性肥料をあげると微生物や魚が死んじゃうこともあることを、初めて意識したんです。
僕は今まで植物だけのことだけを考えてて、周りの生態系が見えてなかったんだなということに気付いたんです。これってすごい面白いなと思って。ハマって、趣味になったんです(笑)

中村 : 最初は趣味で始められたのですね。
現在はアクアポニックスを広める活動をされていらっしゃいますが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?


濱田さん : 近くの幼稚園の園長と知り合いだったので、アクアポニックスを1つ置いたんですよ。
そしたら、子どもたちもとても喜んでくれたんですが、僕の予想をはるかに超えて、ママたちの反響がすごかったんですね。これ何ですか?って言って。

僕が説明すると、「え~すご~い!」とか「これ欲しい~!」とかものすごい喜んでくださって。 みなさんとてもポジティブな反応をしてくれるんですよね。そこがすごく嬉しくて。
僕も実際に初めてやったとき、同じように感動したので、これを広げることはすごく良いんじゃないかなと思って。 これ仕事にならないかな?っていうのは、その時から考え始めました。



”食料生産のツールとしてアクアポニックスを広げていきたい”

中村 : WEBサイトを拝見すると、家庭用のキットを販売するだけではなくて、本来の農業方法としての普及活動も行われていますよね?

濱田さん : はい。想いとしては、やっぱりアクアポニックスという農業方法を世界に広げたいんです。僕はエンドハンガーっていうところを掲げてこの事業をやっています。食料問題を解決したいってことですね。 だから、将来的には、食料生産の方法としてアクアポニックスを広げていきたいです。

もともとアクアポニックスは、バージン諸島とかハワイとかそういった離島とか乾燥地域でニーズに後押しされて発展してきた農業で、家族単位の小さな農家さんに向いてるんです。

中村 : そうだったんですか。勝手に大企業が大きな投資をして行う近代的な農法だと思っていました。

濱田さん : 今は大企業も行っていますが、始まりはそうではないんですね。沖縄とかの離島を想像して頂くと分かりやすいんですけど、野菜はすごい高いじゃないですか。大根1本300円400円って感じで。 さらに台風とか海がシケっちゃったら、その野菜すらも入ってこない状況になってしまう。
だから、皆さん自分達で食べる野菜は、買うんじゃなくて作ってるんですよね、裏の畑で。 ただそこでも水はこっちと同じように与える事ができないですし、肥料もとても高いわけですよ。

中村 : そういえば、小笠原諸島に行ったとき、野菜がかなり高かったのを覚えています。

濱田さん : そうですよね。だからそのような状況でアクアポニックスがあると、すごく喜ばれるわけです。メンテナンスも楽ですし、水はほとんど使わない。
さらに、たんぱく源の魚まで受給できる。だから、アフリカなどの資源が不足している地域で、アクアポニックスっていうのはすごくニーズが高いんです。

中村 : 確かに何もないところに、一つの小さな生態系を作れるって、すごいことですよね。
これは確かに資源が乏しい乾燥地域にとっては、画期的な農法ですね。



濱田さん : そうなんです。今、うちの会社にはモーリタニアからインターン生が勉強にきているんですが、モーリタニアの95%の野菜は輸入なんです。乾燥しすぎてて、自国では野菜が作れないんですよ。
そういう方が自分たちの国で野菜を作りたいって言って、学びに来られているんですね。 だから、そういうニーズを本当に肌ですごく感じたので、そういった所に届けていきたいと思ってます。

中村 : なるほど。ちなみに、日本は肥沃な土地に恵まれているので、アクアポニックスという農法の必要性があまりないのかもしれませんが、教育という観点では、日本にとってもとても素晴らしい農法ですよね。

濱田さん : そうですね。実際に教育の分野とかにもニーズを感じていただけていると思います。
生態系を学べるものはもちろんですが、最近、アメリカや中国では、STEM教育という、サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マスの4つそれぞれの頭文字をとった名前の教育方法に力を入れているんです。

そして、その教材として、アクアポニックスが使われているみたいです。
というのも、さっき挙げた4つが、アクアポニックスには全部含まれているんですよ
循環型社会とか、生態系とか、そういうものを学びながら科学や技術とかにも触れられるので、いい教材ですよね。これから日本でも、こういったニーズは増えていくと思います。

中村 : これほど直観的に生態系について学べるものはないので、ぜひ日本でももっと広まってほしいですね。また、農法という視点で見ると、難民キャンプなど食料が足りていない地域でも活躍しそうですよね。現地での運用が可能なら、私たちを含め、きっと多くの企業や個人の方が、アクアポニックスを送ることに賛同してくれるんじゃないかと思いました。

アクアポニックスが本当にもっと広まってくれるといいなと思います。 本日は貴重なお話をありがとうございました。




インタビューさせていただいた
商品・サービスのご紹介



アクアスプラウトSV〜さかな畑〜

魚を飼育するだけで、オーガニック野菜やハーブが育ち、水やりや肥料も不要の水槽キット。お部屋の中にちいさな地球(生態系)が生まれる、教育商品。

アクアポニックスオンラインストア
https://aquaponics.jp/


未来づくりインタビューとは

これから子どもたちが生きてく”100年先の未来”のために、美しい地球・より良い社会を残そうと取り組まれている方々の活動内容や、想いをインタビューさせていただく企画です。
皆さまの日々の生活を考えるきっかけになれば幸いです。

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