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未来づくりインタビュー vol.2【株式会社はたけのみかた】

更新日:2019.11.23

未来づくりインタビュー vol.2【株式会社はたけのみかた】

更新日:2019.11.23





武村 幸奈(たけむら ゆきな)さん
株式会社 はたけのみかた代表取締役
2014 年 大学在学中に(株)はたけのみかた を起業。
無農薬で栽培された滋賀県の旬の野菜を使った、無添加の安全・安心な離乳食「manma(マンマ)」を販売。

”自分が苦労してでも、社会のためになる野菜作りがしたい農家のために”


中村 : 武村さんは学生のときに会社を立ち上げられたそうですが、どのようなキッカケがあったのですか。

武村さん : 会社を作ったのは大学4回生の時だったんですけど、それまで元々農業とか食で地域を作る活動に興味があって、学生団体をやっていました。そんな中で農家さんの中でも特に有機農家さんに注目するようになっていったんです。

有機農家さんって、本当に素晴らしい農業をされているんですよ。体に優しいのはもちろんなんですけど、土壌も侵さないで生物多様性を守りながら未来にどんどん続いていく持続的な農業だと思うんです。

でも、一方でその経営がうまくいっている農家さんて凄く少ないっていう現状があって。やっぱりまだまだ価値が知られていないので、需要が少ない。作っても、買ってくれる人が少なくて結局ほとんどが廃棄になってしまったり、形が悪くなりやすいので、販売が難しかったりして、農家さんが苦労されているっていう事を知ったんです。

中村 : 確かに、よくニュースでも辞める人も多いと聞きます。

武村さん : それで、有機農業の価値が認められる社会を作っていきたいなと思ったんです。



中村 : 有機野菜を使った離乳食を作ろうという発想はどこから生まれたのですか?

武村さん : 野菜市っていう、農家さんから直接野菜を買えるイベントを学生団体で開催していたんですが、いろいろな農家さんと関わる機会があって。その中に無農薬農家さんもいらっしゃったんですけど、彼らって本当に生き生きしているんですよ。地球のために、将来の子供のために良い食事を作りたいとか。

自分が苦労してでも、社会のためになる野菜作りがしたいとおっしゃる方が本当に多くて、あぁ素晴らしいなと思いまして。
それで、有機野菜の需要が少ない中でどういう人達に届けていったら求められるようになるのかな?って考えてた時に、「子育て世代が良いんじゃないか?」と思うきっかけがあったんです。それも野菜市でのことなんですけど、子連れのお母さんがたくさんいらっしゃったんですね。中には、結構電車乗り継いで来ましたみたいな方もいたりして。

中村 : え!すごいですね。

武村さん : 何がそこまでの行動力を起こさせるんかな?ただ野菜を買うだけのために遠出をするというのは、どういう事なのかな?って思ってお話を聞いてると、子供が生まれたっていう事をきっかけにして『食』について考えるようになったっていう風におっしゃったんです。

「この子をつくっていく食べ物っていうのは慎重に選んでいきたいし、調べているうちに有機農業とかの良さを知った」っていう風におっしゃってて、なかなかそれほど食への意識が変わることってないんじゃないかなって思って。

中村 : 確かに、子どもにはいいものを食べさせたいですもんね。

武村さん : やっぱり自分以上に大切って思えるものができたからこそ、意識転換があったと思うんですね。そこで、その子育て世代の方々に、安心して食べられる有機野菜を届けていくビジネスを作ることができたら、凄くお子さんのためにもなるしお母さんのためにもなっていくんじゃないかなって思ったのが最初のきっかけです。…そこからまだあるんですが(笑)

中村 : どうぞどうぞ、続けてください(笑)



”子どもに、できるだけいいものを食べさせてあげたいママのために”


武村さん : 子育て世代の方に野菜を届けようって決めてから子育てに関する食について色々調査してたんですよ。その中で市販のベビーフードを食べてみたんですよ。

中村 : 面白いですね。どうでしたか?

武村さん : そしたら、野菜の味があまりしなかったんですね。調べていくにつれて、野菜そのものが持つ旨味を味わえるベビーフードが日本にないことがわかったんですよ。

中村 : 確かにそう言われると、市販のものは個体差がないのが普通ですね。

武村さん : そうですね。市販のものは野菜の個体差によって商品の味にばらつきが出ないよう、「調味料」によって風味を整えています。そのため、どれを食べても同じ味で、野菜の味を感じづらくなっているんです。
そこで、じゃあ有機野菜を使って素材の味がそのまま伝わるような離乳食をつくることができたらいいかもと思ったんです。
市販の離乳食を使っているお母さんって、すごく後ろめたさを感じている方も多いみたいで。そういう「子どもにできるだけいいものを食べさせたい」という悩みも、農業の課題解決と一緒に、解決していけるんじゃないかと。

中村 : 確かに、少しうしろめたさを感じるかもしれないですね。ということは、武村さんのところの離乳食は、いつも少し味が違うんですか?

武村さん : はい。manmaっていう商品名なんですけど、素材そのまんまのmanmaと、幼児語でご飯の事をまんまっていうので、両方掛け合わせた商品名なんです。まんまのmanmaっていう。だから、味も少しずつ違います。

中村 : なるほど、それでmanmaなんですね。今後のmanmaの目標などがあれば教えていただけますか?

 



”農業の世界と赤ちゃんとをつなぐ”


武村さん : manmaが今目標としていることは、農業の世界と赤ちゃんとのファーストコンタクトになるような商品になることです。赤ちゃんの食事って、離乳食をはじめにしてこれからどんどん色んな体験と一緒に深まっていくものだと思うので、そのきっかけにmanmaがなると良いなと思っていて。なのでmanmaをきっかけに、農業のことを赤ちゃんやお母さんに知ってもらえるってことが理想です。

中村 : 確かに農業の大変さも素晴らしさも、まずは知ることが大切ですよね。そのほかに何かこれから取り組もうと思っていることはございますか?

武村さん : そうですね、もちろん販売を伸ばしていくっていうのもそうなんですけど、より子育て世代を助けられるような販売のしかたができれば良いなと思っています。例えば飲食店さんにメニューとして置いていただいて、お出かけを支援したりとか旅行先の旅館とかで食べることができるようにしたりとか。そういう赤ちゃん連れのお出かけを支援するようなお店作りをサポートしてみたいな、と思っています!

中村 : 確かに外出先でも安心・安全なものが食べられると、とても嬉しいですね。
個人的には、有機野菜は安全でおいしいのはもちろん、現在の農薬を使う農業に比べて、環境負荷の低いので、ぜひ離乳食だけでなく、幼児食、そして大人の食事まで幅広く取り組んでいってもらいたいなと思いました。これからも陰ながら応援させていただきます。本日はどうもありがとうございました。




インタビューさせていただいた
商品・サービスのご紹介



manma 四季の離乳食

無農薬で栽培された滋賀県の旬の野菜が味わえる、無添加の安全・安心な離乳食。
「離乳初期(5か月目安)」「離乳中期(7か月目安)」「離乳後期(9か月目安)」「11ヶ月以降」と月齢に応じた野菜の大きさや歯ごたえのものをラインナップ。

株式会社はたけのみかた
〒520-3223 滋賀県湖南市夏見789
TEL:0748-76-4789
オンラインショップ
http://hatakenomikata.shop-pro.jp/


未来づくりインタビューとは


これから子どもたちが生きてく”100年先の未来”のために、美しい地球・より良い社会を残そうと取り組まれている方々の活動内容や、想いをインタビューさせていただく企画です。
皆さまの日々の生活を考えるきっかけになれば幸いです。


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